株式会社 東邦微生物病研究所 総合衛生研究所 ティ・ビー・エル

特定の細菌を同定するためには、その細菌を取り出して適切な培地上で培養・増殖しなければなりませんが、一定量の菌量に発育するまで数日以上を要します。

分離培養された菌は、形態と各種生化学的性状試験によって菌種を同定し、菌量、菌種および検体種別を総合的に判定することによって、起炎菌種の推定が可能となります。

検査項目

検査材料・量

保存方法

使用培地・検査方法

所要日数

備考

培養・同定

呼吸器

喀痰・咽頭／その他

冷蔵

使用培地は、検査材、目的菌により異なりますが、基本的にはＣＮＡ寒天培地、チョコレート寒天培地、ＢＴＢ寒天培地、各種確認培地、診断用免疫血清を使用。（便の場合はＳＳ寒天培地、ＴＣＢＳ寒天培地、ＳＩＢ寒天培地、スキロー寒
天培地等使用）

３～５

検体を乾燥さ
せないように
注意してくだ
さい

消化器

糞便／その他

冷蔵

３～５

泌尿・生殖器

尿・分泌物／その他

冷蔵

３～５

血液・穿刺液

血液  5～10mL
穿刺液

室温
冷蔵

３～14
３～５

その他の部位

膿・耳漏／その他

冷蔵

３～５

嫌気性培養

血液・穿刺液・膿・耳
漏／その他

冷蔵

ブルセラ血液寒天培地、ＧＭ加ＧＡＭ寒天培地

３～14

輸送培地をご
利用ください

尿定量培養

尿  10mL

冷蔵

定量白金耳法

３～５

検査項目

検査材料・量

保存方法

使用培地・検査方法

所要日数

備考

培養

喀痰／その他

冷蔵

２％小川培地法

４～８週

塗抹陽性時12
週まで培養

ナイアシンテスト
（抗酸菌同定）

喀痰／その他

アニリンエタノール法

２～３

所要日数は、
同定検査に要
する日数です

非定型抗酸菌同定検査

喀痰／その他

厚生労働省指針に基づく検査法

３～８週

結核菌群核酸増幅同定
（TapManPCR法） 

喀痰／その他

冷蔵

結核菌検査指針に基づく

２～３

結核菌群核酸増幅同定
（ｱｷｭﾌﾟﾛｰﾌﾞ）

喀痰／その他

冷蔵

結核菌検査指針に基づく

２～３

抗酸菌群核酸同定精密検査
（DDH）  

喀痰／その他

冷蔵

結核菌検査指針に基づく

３～８週

検査項目

検査材料・量

保存方法

使用培地・検査方法

所要日数

備考

培養・同定

爪・皮膚／その他

室温

ポテトデキストロース寒天培地

３～14

菌種によって
異なります

検査項目

検査材料・量

保存方法

使用培地・検査方法

所要日数

備考

黄色ブドウ球菌

呼吸器系材料／その他

冷蔵

卵黄加マンニット食塩培地

３～５

ＭＲＳＡ判定

菌株

室温

米国CLSI法

３～５

コアグラーゼ型別判定

菌株

室温

免疫血清凝集反応

３～７

エンテロトキシン型別判定

菌株

室温

ＲＰＬＡ法

３～７

赤痢菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＳＳ寒天培地

３～５

サルモネラ属菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＳＳ寒天培地

３～５

腸チフス菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＳＳ寒天培地

３～５

パラチフス菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＳＳ寒天培地

３～５

病原大腸菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＤＨＬ寒天培地

３～５

腸管出血性大腸菌(O157)

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＳＩＢ寒天培地、ＣＴ－ＳＭＡＣ寒天培地

３～５

ベロ毒素検出

菌株

常温

ＲＰＬＡ法

３～５

易熱性エンテロトキシン
検出

菌株

常温

ＲＰＬＡ法

３～５

コレラ菌

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＴＣＢＳ寒天培地

３～５

腸炎ビブリオ

消化器系材料／糞便

冷蔵

ＴＣＢＳ寒天培地

３～５

カンピロバクター

消化器系材料／糞便

冷蔵

スキロー寒天培地

３～７

ヘリコバクター・ピロリ

消化器系材料／胃粘膜

冷蔵

スキロー寒天培地

５～10

ヘリコポーター

淋菌

泌尿器系材料

常温

ﾁｮｺﾚｰﾄ寒天培地、ＮＹ培地

３～５

髄膜炎菌

髄液／その他

常温

ﾁｮｺﾚｰﾄ寒天培地、ＮＹ培地

３～５

百日咳菌

呼吸器系材料

冷蔵

ボルデージャング培地

３～７

偽膜を採取

ジフテリア菌

呼吸器系材料

冷蔵

チンスダール培地

３～７