拭き取り検査の有用性について | 食品衛生と衛生診断 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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拭き取り検査の有用性について

 

食中毒の主な病原物質は、目では見えない細菌とウイルスです。そのため、視覚から入ってくる清潔さと微生物学的な衛生の違いを実感できません。

日々の清掃作業や殺菌作業の重要性を理解する上で、ふきん、まな板、手指を細菌検査することは、検査結果によって衛生状態を体感することができる非常に有用な手段といえます。

また、食品の製造・調理工程の衛生管理ポイントや危害箇所の抽出、衛生状態の検証手段として用いられる「拭取り検査」は、食品取扱現場の衛生管理の改善点がより明確となり、更なる危害発生防止と品質向上にステップアップすることができます。

 

拭取り検査の検査対象

拭取り検査は、食品及び器具・機材、食品取扱者の手指などが検査対象となります。 

 

拭取り検査の方法は、検査対象物に培地をスタンプする方法

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滅菌水で湿らせた綿棒で検査対象を拭き取って生理食塩水を入れた容器に採取する方法

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以上の2種類があります。

食品取扱者の手指の拭取り検査は、衛生的な手洗いが正しく実行されているか否かを確認するために行われ、衛生的な手洗いが施行されていない場合、大腸菌などが検出されます。

乾燥した状態の手指より、水で湿った手指の方が指紋に隠れている細菌が浮き出してきて、より検出しやすい状態となります。

手洗い実施後、拭取り検査によって大腸菌と黄色ブドウ球菌などの検査を行い、その検査結果の写真を食品取扱者に見せると、衛生状態が一目瞭然であり、手洗いをよりしっかりするようになるでしょう。

手指の検査や器具から大腸菌群や黄色ブドウ球菌が検出されたとき、「良かった! これで更に危害を防ぐことができる」とポジティブに捉えましよう。

都道府県政令市が定める衛生管理運営基準には。「定期的に製品検査や拭取り検査等を実施し、施設の衛生状態を確認すること」とありますし、職場の全員で、拭取り検査の定期的実施に取り組まれ、より高レベルの衛生状態、衛生意識を目指してください。