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検便における正しい採便方法

 

 

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検便検査が初めての方は、大便の採り方や必要な採便量などについて分からないことが多々あると思います。

 

そこで、大変お問合せが多い検便キット「腸内細菌検査用採便管」による便の採取方法を中心に分かり易くご説明いたします。

また、ノロウイルス検査のための採便方法についても、最後のほうでご説明しています。

 

イントロダクション・正しい便のとり方「採便のやり方」

まず、なるべく新しい大便から採取して下さい。

便秘の方は、食物繊維を多く含む食品を摂るか、牛乳・水など水分を多く摂取するなどして便通を確保してください。

どうしても便通が無い場合は、市販の便秘薬を飲んでも構いません。

また、下痢の場合、下痢止め薬を飲んでも構いません。

抗生物質を飲まれている場合は、数日程度空けてから採便してください。

大腸がんのスクリーニングを目的とした便潜血検査ではありません。

痔からの出血や生理中の採便でも検査結果に影響はありません。

 

軟便・下痢便の場合は、できるだけ塊の部分を採取するか、採便スティックの先端部全体に便を付けてください。

水様状の部分を採取してしまうと、採便スティックには付着しないため「未採取」判定「検査不能」判定となるおそれがあります。

細菌性の下痢ではなく、ただの体調不調などで下痢をしている場合、それが原因で陽性にはなりませんのでご安心ください。

採便容器内には保存液が入っていますが、採便後は概ね1週間以内にご提出下さい。逆に言いますと、提出日前の1週間以内に採取されたものであれば検査可能です。

直射日光を避け、室温で保存してください(冷蔵庫保管は不要です)。

採便スティックは、直接、肛門に挿入し便をとらないでください。(腸内を傷つけます)

 

【腸内細菌検査(検便)】採便時の注意事項

【腸内細菌検査(検便)】検体袋の使用方法

【ノロウイルス検便】の注意事項

「正しい大便のとり方」採便管メーカー・マニュアル(PDF)

 

便の採取マニュアル(英語版) PDF

便の採取方法

 

採便管のキャップのはずし方

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中指と薬指で本体を持ち、親指でキャップを静かにずらしながら、一方の手でゆっくりキャップを引き抜く。

※中の保存液がこぼれないようにご注意ください。

 勢いよくスティックを引き抜くと、中の保存液が飛び散るおそれがあります。

基本的な便のとり方

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便の表面にスティックの先端部を2~3回突き刺し、穴の部分に便が埋まる程度採取するか、スティックの先を便の表面で回転させながらこすりつけて便を取ってください。

注意:下痢便のときは、スティックの先端部全体に便をつけてください。

キャップの差し込み方

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スティックを斜め上より本体に差し込み、パチンと音がするまで押し込む。

スティックを何度も出し入れしないこと。また、一度、スティックを閉めたら、再度、開けないでください。

洋式・和式トイレのシッティング

洋式トイレの場合は、反対向きに座って採取する方法があります。

トイレットペーパーを長めに取り、何重にも折り畳んで厚目にして便器の手前側に敷いてください。

トイレットペーパーが溜まり水で濡れると便の重みでずり落ちてしまう場合がありますのでご注意ください。

なお、尿濡れを防止するため、予め小用は済ませて膀胱を空にしておきましょう。

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前座り採便法

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洋式トイレで上述の逆座り法が出来ない場合、通常スタイルで座って、そのままお尻を便座の前に浅く座って排便し採取する方法もあります。

採便用シート

洋式トイレにおいて通常の座り方で採便し、使用後はそのまま流せる「採便用シート」が各社から発売されていますので、それを利用されるのも簡単で良いと思います。

 
ナガセール   ベントリーナ

 

 

楽流カップ    

引用元:youtube動画(BGMが流れますのでご注意ください)

 

検索エンジンで、下記のワードで検索してみてください。

なお、あくまでお客様の利便性を考えてご紹介するものであり、メーカー・発売元各社と弊社が何らかの関係性を有するものではございませんので、予めご了承ください。

「ナガセール」

「ベントリーナ」

「楽流カップ」下痢便にも対応

「採便シート」

 

採便シートの代用品による採便法

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新聞紙一枚を帯状に細長く折りたたんで、少したるませながら便器の左右にひっかけて便座をおろして固定します。

新聞紙の上には、トイレットペーパーを折りたたんで置き、その上に排便します。

採便後、トイレットペーパーはそのまま流し新聞紙はゴミ袋に入れて捨ててください。

同様の方法として、新聞紙ではなく家庭用ラップを便座にV字状に貼って溜まり水の開口部を覆い、そこに折り畳んだトイレットペーパーを置いて採便する方法もあります。

ゴミの量が少ないので後片付けが楽です。

 

トイレ詰まりを直すラバーカップを利用

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溜まり水を採便時だけ一時的に水を減らして採便する方法です。

棒の先に大きな吸盤状のカップが付いたトイレ用ラバーカップを使ってサイホン内の溜まり水を予め押し出しておきます。

そこにクシャクシャの塊状にしたトイレットペーパーを置いて採便します。

 

お勧め「かんたん採便法」

 

コンパクト型の最新洋式トイレでは、上記の方法(逆座り法)が困難で実際に採取することができないケースが多くあります。

例えば、

① 水面積が大きいタイプではペーパーの置き場所が無い。

② 便座の形状や室内スペースの関係(下の写真)で逆向きに座ることが困難である。

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③ 便器底面の傾斜が大きく重みで便が滑り落ちて水没する。

④ 立ち上がるとセンサーで自動的に水が流れてしまうタイプ。

 

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そこで、失敗の少ない簡単な採便法(洋式・和式ともOK)をご紹介します。

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①まず、通常のスタイルで便器に座ってください。

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②そして、排便途中で、一度、多めのトイレットペーパーで肛門をつかむような感じで拭いてください。

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③そうすると、大目の便がトイレットペーパーに付着します。

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④その付着した便から採便スティックで必要な量を採取してください。

余談ですが、最近の研究によると、最も排便しやすい姿勢は、

解剖学的に少し前屈みの姿勢、ロダン作「考える人」のポーズがお勧めとのです。

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採便管の取扱注意事項について

 

・ 中のゼリー状の培地は飲めません。又、他の容器に移し替えたり捨てたりしないでください。

・ スティックを直接肛門に挿入し便をとらないでください。(腸内を傷つけます)

・ 便を容器本体内に詰め込んだりしないでください。

・ 小児の手のとどかないところに保管してください。

・ 直射日光を避け、室温保存してください(冷蔵庫保管は不要です)。

・ キャップを閉めたのち、テープ止め等をしないでください。

・ 本品は、採便の目的以外には使用しないでください。

・ 容器本体には保存液が入っていますが、採便後は速やか(1週間以内)に提出して下さい。

・ 採便容器の使用期限は、本体に記載されています。

 

採便管とその採取量

 

■細菌検査用の採便容器

 

検体袋について

検体袋の表側

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使用方法等の詳細については、こちらをご覧ください。

 

検体袋の裏側

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検査結果欄に「未採取」「検査不能」と書かれていたが、どういう意味?

採取された便の量が極めて少ない場合 または 採便管の中に便を確認できなかった場合は、「未採取」または「検査不能」と判定いたします。

採便スティックの先端に便がしっかりと付着しているのを確認してから提出してください。

 

名前ラベルの貼り方

 

 

※トラブル防止の為、名前入りバーコードシールは本人以外使用しないでください。

 

ノロウイルス検査の採便方法

この採便容器は、ノロウイルス専用の採取便容器です。採取量は、上記の腸内細菌用の採便容器の場合と異なり、「小豆サイズ」程度を採取してください。

 

ノロウイルス検便専用の採便容器

 

 

・ 印字済みでない採便容器ラベルは、所属・氏名をご記入ください。

 

・ 採便スティックのスプーン部分を便に刺して、小豆サイズの量を採取してください。

  ※固形便の必要最小採取量は、およそ小豆サイズの量です。

  ※下痢便の場合は、採便ステックのスプーンで2杯程度(約0.5mL)採取してください。
  ※便器内の溜まり水に便が触れるとウイルスが薄められてしまうため、浸けないように注意してください。

  ※トイレ洗浄剤を使用している場合、ウイルスが失活して正確な検査結果が得られない場合があります。

  ※ウイルス検査なので、痔からの出血や生理中でも検査結果に影響はありません。

  ※腸内細菌用の採便容器は、ノロウイルス検査に使用できません。ご注意ください。

  ※ノロウイルス検体は、感染性が強いため取扱いに細心の注意が必要です。

 

・ねじ込み式キャップは、便が漏れないように最後までシッカリと閉めてください。

 

・名前シールの貼付を再度確認の上、検体袋に入れてください。

 

・ 採便後、採便容器は冷暗所にて保管してください。
  ※できれば、冷蔵庫内で冷蔵または冷凍による保管が望ましいです。

  ※冷蔵庫による保管ができない場合、保冷ボックスに保冷剤や氷を利用して保管してください。

 

・採便後、検査精度の観点では速やかに検査を開始することが望ましいのですが、

 「すぐに提出することができない」「宅配便利用のため翌日発送となる」

 などの理由がありましたら弊社までご相談ください。

 

最後に

長い説明文をお読みいただき、ありがとうございました。

採便に関する疑問が少しでも解消されれば幸いです。

他にご不明な点などございましたら、問い合わせフォーム、電子メール、電話にてお気軽にご相談ください。