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厨房の衛生点検「個人衛生」

 

今回の衛生点検については、「個人衛生」のお話です。

 

個人衛生には、「手洗い」「服装」「意識」などがあります。

手洗いについて

当然、みなさんの作業場には手洗い場が設置されています。手洗い場が無ければ営業許可は下りません。

しかし、手洗い場を設置しただけでは、正しい手洗いはできません。

手を洗うという作業は、非常にシンプルな作業ではありますが、食品衛生の観点では、非常に重要な作業となります。

手洗いには、次に挙げる3レベルがあるといわれています。

 

①日常の手洗い  ②衛生的な手洗い  ③手術時の手洗い

 

①の「日常的な手洗い」とは、一般人、即ち食品の取り扱い等に従事していない人の手洗いです。

一般人の手洗いをよく観察すると、ただ水で濡らしているだけという方が多いように思います。

このような手洗いでは、手に付着している細菌を取り除くことはできません。

 

②の「衛生的な手洗い」とは、食品の取り扱い従事者である皆さんが行わなければならないものを指します。

「衛生的な手洗い」が完全に出来得るならば、食中毒の大半が防止できるとさえ言われています。

 

③の「手術時の手洗い」とは、医師が手術をする前に行う徹底した手洗い消毒です。

 

衛生的な手洗い

では、「衛生的な手洗い」とは、一体どのようにすればいいのでしょう?

衛生的な手洗いをするには、まず手洗い場に必須の備品類を揃えなければなりません。

必須の備品類とは、手洗い洗剤、爪ブラシ、消毒液、ペーパータオル(あるいはジェットタオル)の4品です。

この備品を有効に利用して衛生的な手洗いを施行するため、「手洗いマニュアル」を作成して手洗い場に掲示し、従業員に周知徹底することも重要です。

個人ごとに洗い方に異なったのでは、全員の個人衛生を確保できないため、全員が同一の正しい手洗い方法を施行するためには必要なのです。また、昨日今日入社された方でも、すぐに同じ方法で洗うことができるようにする必要があるからです。

もし、今、手洗いマニュアルはまだ作成していないという厨房は、きちんと、作成しておいて頂き、正しい手洗い(30秒以上)できるように是非指導していただきたいと思います。

手洗いは、手洗い専用の洗い場で行い、食器や器具の洗浄シンクなどを使用しないで下さい。

せっかく正しい手洗いをしても、水道の蛇口等で手を汚してしまうおそれがあります。

蛇足ですが、手洗い器が故障しているときは、正しい手洗いができません。故障した場合は速やかに修理して下さい。

服装について

次に服装です。当然、厨房内では専用の制服、履物を使用することが必須です。

これは、外から雑菌や異物を厨房内に持込まないためには、必要なことと理解していただいていると思います。

また、汚れたら清潔なものと着替えることも忘れないで下さい。

汚れは細菌の栄養源ともなり、雑菌が繁殖し、食品を汚染してします原因になる危険性があります。

いくらおいしい料理を食べていても、調理している人の服装が汚れているとお客様はどういう印象を持つでしょう?

お客様も清潔な服装を見れば、気持ちよく食事ができるのではないでしょうか?

そういう意味でも、常に清潔な服装を心掛けてください。

また、腕時計、指輪などは細菌の巣窟になる恐れがあります。

マニキュア、ピアスなども落ちると異物混入の原因ともなります。

調理場に入る前には、このような装飾品等、調理に無関係なものは外しておくことが大切です。

調理従事者の意識について

最後は調理に従事する皆様の意識です。

調理に従事する皆様は「清潔で安全なものを提供する」義務があります。

「温度管理」、「食品の取り扱い施設・器具の衛生管理」、「個人衛生」について従業員全員が同じ意識を持ち、仕事に従事する必要があります。

「自分ひとりぐらい守らなくても大丈夫・・・」そういう方がいると全てが無駄になります。事故が起きてからでは遅いのです。

店長、料理長は、アルバイト、パートを含む全従業員に対して衛生教育に力を注ぎ、厨房内の衛生管理向上に努めて頂きたいと思います。