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食中毒対策!~ウェルシュ菌~

 

ウェルシュ菌による食中毒は、発生件数は少ないのですが 患者数では全細菌性食中毒の約10%を占めており、1件当たりの 患者数は平均160名と他の細菌性食中毒に比べ多いのが特徴と なっています。

今回は、ウェルシュ菌食中毒の発生原因と感染予防対策についてご紹介します。

特徴は

●自然環境や牛、豚などの動物や人の腸管内に存在する。

●芽胞を形成するため、熱に強い。

●エンテロトキシン(毒素)(易熱性)を産生する。

●嫌気状態を好む。 ●増殖速度が速い。

 

症状は

●摂食後7~24時間で発症。

●水様性下痢、腹部膨満、腹痛が主な症状。

発生原因

ウェルシュ菌は動物の腸管や下水、土壌に生息しているため、食品を汚染する機会が多いと考えられます。

特に、不衛生な環境で処理された肉類などが挙げられますが、実際はどの食品であるかは解らないこともあります。

また、調理過程で  衛生的に洗浄されていない調理器具や洗い水の混入など様々な原因があると考えられます。

有芽胞菌ですから熱に強く、加熱処理後、緩慢な冷却により生き残った芽胞が、冷却によりもとの細菌の状態に戻り、増殖します。

その食品を節食することで腸内で芽胞に変化するとき毒素を産生し、食中毒を引き起こします。

このためウェルシュ菌は黄色ブドウ球菌などのように食品中で産生した毒素により食中毒が起こる毒素型の食中毒とは違い、感染型の食中毒に分類されます。

原因食品

カレー、シチュー、スープ、麺のつけ汁など大量調理時の食品に多く、緩慢に冷却された食品が原因になることが多い。

予防のポイント

●調理した食品はできる限り速やかに消費する。

●大量調理された食品はできる限り速やかに冷却する。あるいは小分けして冷却する。

●やむを得ず翌日まで保存する時は品温を必ず10℃以下なるよう冷蔵保管する。

●前日に加熱調理した食品は冷蔵保管していたものでも、攪拌しながら十分加熱する。(毒素は100℃、10分以上加熱すると失活すると言われている)

●使用する調理器具の洗浄消毒の徹底。