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厨房・食品取扱施設における床面等からの汚染対策

 

床面は、食材の断片やゴミや水などが溜まり、非衛生な状態になります。

清潔作業領域の床面でも、靴や落下物によって徐々に汚染物が溜まっていきますので、床面によるコンタミネーション(汚染)のリスクを少なくするには、床面から極力離して食材や製品を置くことが基本となります。

 

作業テーブル

直接食品を取り扱う作業テーブルの高さが最も汚染リスクの少ない場所であり、そこに食材や製品を保管することが好ましいと言えます。

しかし、重量物運搬の作業性或いは積載スペースの確保の面で、作業テーブル高さよりも低い位置での取扱を考慮することが必要となってきます。

保管する高さとしては、食品関連ISO規格で60cmと15cmが規定されています。

 

床面距離60cm

床面からのハネ水による汚染リスクが避けられる高さです。

厨房施設などの床面は、衛生上乾いていることがベターではありますが、水を多量に取り扱うことや施設構造等により難しいのが実情です。

従って、濡れた床面を人が歩行して汚染物が跳ね上げられても食材へのコンタミネーションを回避できる高さとして設定されたのが、概ね60cmということです。

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床面距離15cm

多く使われているパレットは、この高さになりますが、未清掃で長期間そのままにしておくと汚れが蓄積し、カビ・細菌の増殖や虫の発生源となります。従ってパレットを使う場合は、定期的な清掃が必須となります。

 

また、厨房施設でよく見かけるスノコは、スノコの下部にゴミや汚れが詰まったままのケースを多く見かけます。そのため、原則として使用禁止することが望ましいわけですが、どうしても使用されるのでしたら、パレット同様に定期的な清掃が必須となります。

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キャスター付きのコンテナについては、この15cm以上を確保できるものがありますし、多段式ラックの最下段の棚を15cm以上にすることで床面の清掃も行いやすくなります。

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シンクと壁面が密着して設置した場合、密着面の僅かな隙間に汚染物が溜まり汚染発生源となりますので、逆に15cm以上壁面から離して設置すると汚染物も溜まらず清掃もやり易くなります。

 

60cmと15cmの使用区分

上蓋が無いオープンなコンテナ・バンジュウ、鍋・ボールなどの調理器具(下向き保管)等では、汚染物の侵入を避けるため60cm以上が安全といえます。

上蓋などで密閉できるコンテナ等では、15cmでも安全といえます。