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なぜ食品にメラミンが混入されたか?―中国における牛乳へのメラミン混入事件―

 

2008年、中国において、メラミンが混入された粉ミルクが原因と思われる乳幼児の腎臓結石等の被害が生じており、我が国でも、メラミンが混入された原材料を使用した加工品が発見された事件がありました。

また、アメリカとカナダでも原材料にメラミンが混入されたペットフードを食べた数百匹のイヌとネコが死亡しています。

双方とも原材料は中国から輸入されたものでした。

メラミンとは

メラミンとは、有機窒素化合物の一種で、メラミン樹脂というプラスチックの原料として使われている化学物質です。

メラミン食器として食器の材質にも広く使用されています。したがって食品に使用するものではありません。

混入の理由

今回、牛乳にメラミンを混入した理由は、牛乳のたんぱく質の含量を実際より多く見せかけることにありました。

食品中のたんぱく質の含量は、通常、食品に含まれる窒素の量を測定して求めます。

メラミンは窒素を多く含むことから、メラミンを混合することで、たんぱく質の含量を実際より多く見せかけていました。

WHO(世界保健機関)の情報によれば、中国でメラミンを混ぜていた地域では、生乳の出荷量をかさ増しするため、生乳に水を加えていました。

水を加えることでたんぱく質の濃度が低くなることから、それをごまかすためにメラミンを混合したようです。

日本国内でも、中国産の乳・乳製品及び食品添加物、またそれらを使用した食品からメラミンが検出されているほか、中国産の卵・卵製品からもメラミンの検出が報告されています。

このため、輸入時および国内流通輸入食品の検査等の対策強化が図られており、メラミンが検出された食品については、食品衛生法第10条の規定に違反するものとして、(1)輸入時にあっては、廃棄又は積戻しの措置(2)国内にあっては、流通の禁止、回収等の措置が講じられています。