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ノロウイルスに関するQ&A

 

ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎にかかるとどうなりますか。

 

ノロウイルスが口に入ると24~48時間以内におう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。

特に、おう吐は突然、抑えることが出来ないほど急激に強く起こるのが特徴的です。食品を介さない感染性胃腸炎の場合も症状は同じです。健康な方は1~2日間軽症で回復しますが、子供やお年寄りなどは重症化しやすく、また、吐物を誤って気道に詰まらせたりすることがあるので注意が必要です。

また、ノロウイルスに感染しても全く症状が出ない人(不顕性感染)もいますが、症状がなくても1週間から1か月程度ウイルスを排出しており、新たな感染源となることがあります。

 

ノロウイルスはどうして感染しやすいのですか。

 

ノロウイルスに感染した人の便や吐物には大量のノロウイルスが排出され、便や吐物を処理する際に、正しい処理を行わなければ、飛沫等で周辺が汚染され、時間が経過した後も、感染が広がります。また、ノロウイルスは、極めて少量でも感染しますので、感染者の手洗いが不十分だと手のしわなどにノロウイルスが残り、手指を介して食品を汚染し、食中毒の原因となることもあります。

患者は症状が治まってもしばらくの間ノロウイルスを排出し続けます。また、感染しても症状がでない不顕性感染者もおり、ノロウイルスに感染している自覚もなく、気づかないうちに食品や環境を汚染し、さらなる二次感染が起こりやすいことも問題となっています。

 

どのような食品が原因になるのでしょうか。

 

ノロウイルスは、食品から直接ウイルスを検出することが難しく、食中毒事例のうち、約7割で原因食品が特定できていません。また、ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されるケースも多いと考えられます。加熱調理後に、和える、まぶす、トッピングを行うなど、直接手で食品に触れる工程がある場合は、ノロウイルスに汚染される可能性が高くなるので箸や使い捨て手袋を用い、直接食品に触らないでください。

 

ノロウイルスによる食中毒を予防するためにはどうすればよいですか。

 

手洗いの徹底と食品の加熱、塩素等による消毒が重要です。下記を参考にしてください。

・食事の前やトイレの後などには、必ず石けんで手を洗う。

・加熱が必要な食品は中心部(中心温度85~90℃で90秒間以上)までしっかり加熱する。

・消毒する際は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くとよい。(次亜塩素酸ナトリウムは、取扱に注意を払う必要があるので、「使用上の注意」をよく確認の上使用してください。)

・熱湯消毒が可能な包丁、まな板、食器、ふきんなどは煮沸消毒するとよい。

・大量の調理をする施設の場合、下痢やおう吐などの症状がある従事者は、食品を直接取り扱う作業を行わない。

・患者は、症状が治まった後も1週間から1か月程度はウイルスを排泄するので、感染を拡大させないよう注意する。

 

※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方

市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。ノロウイルスには、アルコールや市販の酸素系の漂白剤は効果が期待できません。

塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認して、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わないようにしましょう。

 

ノロウイルスによる食中毒の原因はカキが多いといわれることがありますが、本当ですか。

 

ノロウイルスによる感染の原因は、人から人への感染と、食品を経由するもの(食中毒)があるのですが、ノロウイルスによる食中毒の中で、カキを含む二枚貝によるものは293件のうち8%(24件)にすぎません(2014年)。

市販されているカキは、生食用と加工用に分けて出荷されており、生食用は、基準を満たした海域で採取するとともに水揚げ後速やかに衛生的な水で十分洗浄するなど厳しい基準が定められています。

加工用と表示されているカキは、十分加熱してから食べることが必要です。

 

感染者が出たときの対処はどうすればよいですか。

 

マスク、使い捨て手袋をして、飛沫を吸い込まないように注意して、以下の処理を行ってください。なお、アルコールでの消毒は効果がありません。

・吐物があった場所は、ウイルスが飛び散らないように、次亜塩素酸ナトリウム溶液で濡らしたペーパータオル等で覆い、さらに同溶液をかけて消毒する。

・便や吐物は、ペーパータオル等を使い外側から内側に向かって拭き取る。

・使用したペーパータオル等は、ビニール袋等に密閉した上で捨てる。

・ドアノブやカーテンなどからもウイルスが検出されるので、広めに消毒する。

 

食品安全委員会e-マガジン より

 

食品安全委員会;食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください

https://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html

厚生労働省;ノロウイルスに関するQ&A

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

厚生労働省;感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/

国立感染症研究所;新規遺伝子型ノロウイルスGII.P17-GII.17の流行

http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/778-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-news/5903-pr4273.html

国立感染症研究所・感染症疫学センター;ノロウイルス感染症

http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html