食育と食育基本法について
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「食育」、最近、テレビや雑誌などで良く目にする言葉になりました。 「食育基本法」が施行され、食育関連の報道がますます増えてきました。
今回は、注目されている食育と食育基本法について紹介したいと思います。 |
食育とは
そもそも食育とはなんでしょうか?食育基本法には、次のように説明されています。
① 生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
② 様々な経験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること
もう少し補足して詳しく言いますと、食育とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みのことです。
食育の必要性
食育の意味については理解して頂けたと思いますが、では、なぜ最近になって食育が必要になってきたのでしょうか?
食育が必要とされる背景には次のような理由が挙げられます。
食生活の遷移
我が国の食生活は、伝統的に主食である米を中心に、魚や野菜、大豆から作る豆腐や納豆などの副食の中心の日本型食生活でしたが、第二次大戦後、経済成長を含む我が国の社会情勢の変化を背景に畜産物や油脂などの摂取が増加しました。その結果、脂質のとりすぎなどによる栄養バランスの偏りが起きてしまいました。
健康ブーム
健康に良いとされる食品に関する情報はテレビや雑誌などでも多く取り上げられています。しかし、栄養や食物に関する総合的な知識がなければ、摂取についての適切な判断ができません。
情報を正しく選択して健康に役立てるために、食に関する知識を身につける必要性が高くなっています。
食の安全性
最近注目を浴びている食品添加物問題、家畜のBSEや鳥インフルエンザなどの問題。そして農薬などによる食品汚染に対する不安。食の安全性に関心を寄せる人が増え、適切な判断基準を広く共有することが求められています。
食習慣の乱れ
塾通いやテレビの深夜番組などの影響により夜遅くまで起きているといったライフスタイルの変化の結果、朝食の内容の簡素化や朝食の欠食率が増加してきました。
また、コンビニエンス・ストア等の普及により、24時間いつでも自分の食べたい時に、自分の好きな食べ物だけ食べられるようになったことなどにより、家族で食事をする機会が減少し個食や孤食が増加してきました。
加えて、経済発展と共に、食生活も豊かになっている中で40%という低い食料自給率を向上させるという課題などもあります。
このような背景から、国民一人一人が、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付ける、食育が必要になってきました。
食育基本法の制定
前述のように私たちの食には、様々な問題がありますが、これらは、行政や産業側が努力するだけで解決できるものではありません。
このため、国民自らが「食」について考え、判断する力をつけることが必要となってきました。
そこで、食育に関する施策を総合的かつ計画的に進めることを目的として平成17年7月に食育基本法が施行されました。
食育の推進体制
食育基本法では食育を推進するに当たって、多様な関係者が連携・協力しながら、まさに国民運動として取り組んでいくこととしています。
食育基本法に基づき、食育推進介護の下、食育の推進に関する施策の基本的な方針等を示した「食育推進基本計画」が平成18年3月に作成されました。
この食育推進基本計画に基づいて各省庁は計画を実施していきます。都道府県や市町村が食育を推進するに当たっては、国との連携を図りつつ、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、食育を推進していきます。
食育推進基本計画の内容としては、次のようなことが挙げられます。
(1)家庭における食育
(2)学校、保育所等における食育
(3)地域における食生活の改善のための取組
(4)食育推進運動の展開
(5)生産者と消費者との交流や農林漁業の活性化等
(6)食文化の継承のための活動への支援等
(7)食品の安全性、食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進
食育推進基本計画において毎年6月が「食育月間」と定められ、毎月19日が「食育の日」と定められました。
この取組を通じて、私たち一人ひとりが、まさに自分や家族の問題として食生活を見つめ直し、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野における食育の活動に参加、協力することが期待されています。
以上、食育と食育基本法について簡単に説明させていただきました。
法律など詳細を確認されたい方は、内閣府、文部科学省、農林水産省、厚生労働省および各自治体のホームぺージや資料をご参照下さい。
各関係省庁や自治体のホームページを見ますと、食育や食育基本法の説明以外にも、食育普及の取り組みとしてシンポジウムやタウンミーティングから家族で参加できるようなイベントまで多様なイベントの情報が記載されています。
これを機会に、一度地域のイベントに参加してみてはいかがでしょうか?