浴槽水 | 水質検査 | 水質検査 | 株式会社 東邦微生物病研究所

浴槽水

公衆浴場は、衛生管理の指標として水質検査項目と水質基準値、検査頻度が定められています。
ジャグジーや打たせ湯等は、エアロゾルを発生させ人が吸い込むおそれが高いことから、レジオネラ感染症防止への特別な衛生管理が求められます。
浴槽や配管の清掃・消毒後の衛生状況の確認には、水質検査が不可欠です。

 

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公衆浴場・旅館業の浴施設に使用する水については、「公衆浴場における水質基準に関する指針(厚生労働省通知 生食発0919第8号 令和元年9月19日)」において、水質検査項目及び水質基準値、検査頻度が定められております。

 

最近の入浴施設は、ろ過設備や湯水の再利用設備が多く設置され複雑な循環系を構成することが多くなっています。

また、露天風呂、ジャグジーや打たせ湯など入浴者を楽しませる設備が多く見られるようになってきました。

レジオネラ症の発生事例を考えますと、これら設備の衛生管理、構造設備上の対策を特に行う必要があります。

微生物は、入浴者の体表面に付着したり、土ぼこり及び露天風呂等から浴槽水に侵入します。

特に、湯の一時的な貯留設備を設けると、微生物に汚染されやすくなるため、土ぼこりが入りにくい構造として清掃や消毒を十分行うことが必要です。

浴槽水は、入浴者から各種の有機質が常に補給されており、これを栄養源として、ろ過器、浴槽、配管の内壁等に定着して微生物が増殖します。

さらに、バイオフィルムと呼ばれる生物膜によって、塩素剤等の殺菌剤から保護されるため、浴槽水を消毒するだけではレジオネラ属菌等の微生物の繁殖は防げません。

そのため、浴槽水の消毒だけでなくバイオフィルムの除去と発生を防止する対策が必要です。
ジャグジーや打たせ湯等は、エアロゾルを発生させ、レジオネラ属菌感染の原因となりやすいので、連日使用した浴槽水のジャグジーへの使用、再利用した浴槽水の打たせ湯への使用などは控え、汚染水によるレジオネラ属菌の感染の機会を減らすことが必要です。

弊社は、長年、銭湯、スーパー銭湯、旅館、ホテル、保養所、老人ホーム、フィットネスクラブなどの各種施設から多くの検査をご依頼いただいております。

浴槽水の検査のご案内

まずは、お問合せ入力フォーム、電子メール、電話にてお問合せください。

公衆浴場の浴槽水検査は、施設の特性に応じて検査項目と検査回数が、都道府県の条例により義務付けられています。
詳しくは管轄の保健所にご相談ください。 

浴槽水の基準値

原水、原湯、上がり用水、上がり用湯

検査項目

水質基準

 色度

 5度以下であること

 濁度

 2度以下であること

 pH

 5.8~8.6であること

 有機物(全有機炭素(TOC)の量)

 又は

 過マンガン酸カリウム消費量

 3mg/L 以下

 又は

 10mg/L以下であること

 大腸菌

 検出されないこと

 レジオネラ属菌

 検出されないこと(10cfu/100mL未満)

 

浴槽水

検査項目

水質基準

 濁度

 5度以下であること

 有機物(全有機炭素(TOC)の量)

 又は

 過マンガン酸カリウム消費量

 8mg/L 以下

 又は

 25mg/L以下であること

 大腸菌群数

 1個/mL以下であること

 レジオネラ属菌

 検出されないこと(10cfu/100mL未満)

 

有機物(全有機炭素(TOC)の量)又は過マンガン酸カリウム消費量について、塩素化イソシアヌル酸又はその塩を用いて消毒している等の理由により有機物(全有機炭素(TOC)の量)の測定結果を適用することが不適切と考えられる場合は、過マンガン酸カリウム消費量を用います。

 検査頻度

○1年に1回以上

原水、原湯、上がり用水、上がり用湯
循環ろ過器を使用していない浴槽水、毎日完全換水型循環浴槽水

○1年に2回以上

連日使用循環型浴槽水

○1年に4回以上

連日使用型浴槽水で浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合

ただし、都道府県知事は、営業者の申請に基づき、薬湯、温泉等を使用するものであるためこの基準により難しく、かつ、衛生上危害を生ずるおそれがないと認められるときは「色度、濁度、pH値、有機物又は過マンガン酸カリウム消費」の基準の一部又は全部の適用を除外することが出来る。

 

検査結果は、3年間保存しなければなりません。

用語の解説

用語

意味

 原水

 原湯の原料に用いる水及び浴槽の水の温度を調整する目的で、

 浴槽の水を再利用せずに浴槽に直接注入される水

 原湯  浴槽の湯を再利用せずに浴槽に直接注入される温水
 上がり用水  洗い場及びシャワーに備え付けられた水栓から供給される水
 上がり用湯  洗い場及びシャワーに備え付けられた湯栓から供給される温水
 浴槽水  浴槽内の湯水
 連日使用型浴槽水  24時間以上完全換水しないでろ過している浴槽水
 毎日完全換水型浴槽水   ろ過器を使用しているが、毎日完全換水している浴槽水

 

 検査項目セット

「納期」欄は、営業日日数を指します。

No.

検査項目

公衆浴場セット

納期

検査方法

試料量
(mL)

原水、原湯
上り湯 及び 上り用水

浴槽水

1

 色度

-

5

 透過光測定方法

100

2

 pH

-

5

 ガラス電極法

100

3

 濁度

5

 散乱光測定方法

100

4

 有機物(全有機炭素(TOC)の量)

 又は

 過マンガン酸カリウム消費量

5

 全有機炭素計測定法

 又は

 滴定法

100

5

 遊離残留塩素

-

-

5

 DPD法

100

6

 大腸菌

-

5

 特定酵素基質培地法

100

7

 大腸菌群

-

-

5

 特定酵素基質培地法

100

-

 デオキシコレート培地法

100

8

 レジオネラ属菌

7~10

 冷却遠心濃縮法

500

気泡浴槽、採暖槽のみ

 

採水

浴槽内の水面下へ蓋を開けずに採水容器を入れ、水中内で採水容器の蓋を開栓⇒採水⇒密栓してください。

採水容器については、こちらの「【浴槽水】採水容器の注意事項」をクリックしてご覧ください。 

報告

基準値超過の項目がある場合は、速報にてご連絡し今後の対策・再検査等についてご相談させていただきます。

 

掲示用検査済証の発行について

公衆浴場の水質検査をご依頼のお客様に 2種類の提示用検査済証(「公衆浴場衛生管理」・「浴槽水衛生管理」)のオプションサービスがございます。

 

サンプル書式(画像をクリックすると拡大表示します。)

s-公衆浴場衛生管理    s-浴槽衛生管理 

 

関連外部リンク

公衆浴場における衛生等管理要綱について(厚生労働省)

大阪府公衆浴場施行条例

大阪府公衆浴場法施行規則